しとどの巌”いわや”(真鶴)

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しとどの巌(真鶴)

しとどの巌(真鶴)とは?

しとどの巌(いわや)とは、ここ真鶴と、湯河原に2つの「しとどの巌」があり、いずれも治承4年(1180年)の石橋山の合戦で破れた頼朝や土肥実平ら6・7騎ほどの部隊で敵の追っ手から逃れるための身を隠した場所であったと伝えられています。

しとどの巌(真鶴)非常に興味深いのは、いずれのしとどの巌も、その史跡としての由来(言い伝え)がほとんど同じである点です。その巌が「しとど」と呼ばれるホオジロ・アオジ・ノジコなどのいた洞窟で、身を隠したのは6・7騎ほどの部隊だったということです。

しとどの巌(湯河原)では、頼朝らが経由した周辺の経路も数多く史跡として残っており、また土肥実平の妻がしとどの巌(湯河原)まで食料を運んだという具体的な話も残っているので、こちらの方が信憑性が高いような気もします。

さらに、日付を追ってみると、より当時の状況が詳しく分かってきます。治承4年(1180年)の8月23日に石橋山(根府川と小田原の間)の合戦で破れ、8月28日に真鶴の地より安房国へ向けて出発したということ、これは色々な文献からも明らかで、どちらのしとどの巌における説明でも共通しています。

しかし、その間の5日間ともなると、ちょっと内容は異なります。真鶴のしとどの巌では「土肥実平、土肥遠平(実平の子)以下7騎がこの巌で飢えをしのいで難を逃れた」としていますが、石橋山の合戦で破れた頼朝が、石橋山から土肥郷のあたりを経て、再度北上し箱根を通ってまた土肥郷に戻ってくるという経路は、史実からもほぼ明らかで、行程に要する時間も現実的で納得できます。

ただ、途中で土肥実平に提案により、頼朝の一行はばらばらに分かれて逃げていますし、7騎のうちの岡崎四郎義実(おかざきしろうよしざね)以下数名は前日の8月27日に土肥の岩海岸より、頼朝に先立って安房国に出航しています。翌28日に出航した頼朝が安房国へ到着(現在の千葉県安房勝山駅近く)した時は、頼朝と土肥実平の2人程度であったようですから、真鶴のしとどの巌に到着する以前の段階で部隊はばらばらになっていたと考えるのが自然なような気がします。

「しとど」と呼ばれるホオジロ・アオジ・ノジコなどのいた洞窟であるという点も、これらの鳥が藪や森林や山に生息する鳥で、この真鶴港近くがカモメなどの海鳥も生息する場所であることを考えると、湯河原の方がより自然であるような気がします。

しとどの巌(真鶴)真鶴のしとどの巌に到着するのは、時間的な経過を考えても8月27日ぐらいなのではないかと推測され、当日には第1陣が安房国に向けて出航していますし、頼朝と土肥実平が身を隠して一夜を過ごしたという経緯だったのではないでしょうか?もちろん、第1陣の出航時に、敵に見つかるかどうかという先遣隊としての使命も考えられますし、仮に見つかっても「頼朝はもう遙か海の上」と相手に諦めさせ、敵が退却後の安全が確保された状態で頼朝が出航するという狙いもあったのかもしれません。つまり、しとどの巌は湯河原と真鶴に2つ存在するのではなく、従来からの言い伝えのある「しとどの巌」は真鶴に、そして安房国への出発前夜、苦楽を共に乗り切ってきた盟友とも言うべき家来である土肥実平と、土肥郷最後の夜を明かした場所が「真鶴の巌」であったということです。

…と、主観的な仮説に基づいて考察してみましたが、歴史ですので諸説あることも事実です。さまざまな材料を集めて歴史をひも解いていく過程こそが歴史ロマンの醍醐味ですので、今回はここまでにいたします。「吾妻鏡」や「源平盛衰記」など、歴史をひも解く資料や言い伝え、伝説などは数多くありますので、興味をお持ちの方は是非歴史のロマンに浸ってみて下さい。

台場礎石の碑付近には「品川台場礎石の碑」があります。品川台場とは、幕府が安政元年(1854年)の冬に完成させた台場で、石材調達に大きな役割を果たした神奈川県真鶴町には、品川第2台場が撤去された後の1965年に、撤去した石垣の一部を移してできたものです。つまり、この礎石は111年にも渡る江戸へのお勤めを終えて真鶴の地に戻ってきた150年以上前の石である、という事になります。

しとどの巌”いわや”(真鶴)へのアクセス方法

バスをご利用の方は、JR真鶴駅より真鶴岬方面行に乗車、「魚市場」バス停にて下車すぐ。 車の場合は真鶴半島をぐるっと一周する県道739号(真鶴半島公園線)を利用して、真鶴港のあたりになります。専用の公共駐車場がありませんので、魚座や真鶴半島遊覧船、周辺のお土産物屋さんなどを利用する際に、ついでで見学するのが良いでしょう。

しとどの巌”いわや”(真鶴)詳細情報

「ペンションはな」のオススメ度:★★★
  • 利用時間:見学自由
  • 利用料金:無料
  • トイレ:無し
  • 駐車場:周辺施設駐車場を利用
  • お問い合わせ先: 真鶴町観光協会 ( TEL.0465-68-1001)

※掲載の情報は、記載時点での情報に基づいております。上記詳細情報は最新の情報ではございませんので、予めご了承下さい。もし変更事項等お気づきになりましたら、お問い合わせフォームよりご一報頂ければ幸いです。適時情報更新させていただきます。

しとどの巌”いわや”(真鶴)アクセスマップ


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最終更新日: Fri, 2010-04-30 0:26 am ページのTOPに戻る Home | リンク | 全国宿仲間リンク | サイトマップ | プロフィール